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カンムリウミスズメの世界最大の繁殖地として注目される宮崎県の枇榔島。地質、植物、鳥類、昆虫類など長年にわたり現地調査を重ねた研究会による貴重な報告集。枇榔島調査研究会編「枇榔島の自然」◎鉱脈社
定価4400円(本体4000円+税) A4判 並製 120ページ はじめに 1987年から枇榔島に入り、カンムリウミスズメに関わってきた中で、何故この島がカンムリウミスズメの世界最大の繁殖地なのか? 宮崎県内に生息する種指定の国の天然記念物3種(カラスバト、カンムリウミスズメ、イヌワシ)のうち2種が、何故この島に生息するのか? 枇榔島の基礎となる部分を知りたくて2017年から、「枇榔島の自然」と銘打って、鳥類以外に枇榔島に生息する植物や昆虫、その他の動物の生息状況を把握したいとそれぞれの分野の専門家に呼びかけ、枇榔島の総合調査を行ってきた。その成果をここに漸くまとめることができたので報告する。 枇榔島の成り立ちを地質的な観点から調査し、そこに生える植物、その植物を餌として生きる鳥類、昆虫類、その昆虫類を餌として生きるクモ類や哺乳類などと言った生態系のつながりを知ることで、この小さな無人島「枇榔島」に多くの鳥類が棲息し、貴重な生物が棲息していることを記録にとどめ、ここを出発点として後世に引き継ぐ基礎資料となるようなデータを取りまとめる必要性を感じた。そこで地形・地質、植物、哺乳類、両生・爬虫類、昆虫類、クモ類、陸生貝類の分野に精通した8名にお願いして、それぞれに調査を行った。 悪天候で入島が制限されるという条件下で調査の回数は十分ではなかったが、それぞれ精一杯の調査をしていただいた。特に調査適期に悪天候のため渡島できず、最良の調査ができなかったこともある。そのようななか素晴らしい調査結果が得られたので、調査員の方々にお礼申し上げる。 最後に、代表の意を汲んで調査への協力や執筆の労を取って頂いた伊東嘉宏、斉藤政美、西田伸、古中隆裕、末吉豊文、岩崎郁雄、串間研之、西邦雄の各氏に心から感謝申し上げるとともに、これをまとめるにあたっては、幾度となく枇榔島に足を運んで調査を行ってきたが、その陰には、地球環境基金や門川町のカンムリウミスズメ保護事業助成金、社会貢献支援財団表彰の報奨金、動物園水族館協会からの助成金、バードリサーチの調査研究支援プロジェクト助成金、JAC環境動物保護財団などの資金援助をいただいて調査を継続し、ここにまとめられることを心から感謝申し上げる。 また調査を行うにあたっての必要な諸々の事務手続き等を快く行っていただいた門川町社会教育課の職員、個人的に援助をいただいた日本獣医生命科学大学の土田修一教授、宮崎大学フロンティア科学実験総合センター篠原昭男准教授、篠原動物病院篠原秀作院長、南九州大学渡邊純子教授、この他、渡船「知幸丸」の船長池田仁氏には、幾度となく無理を聞いていただいた。そして現地調査にボランティアとして自己資金で参加していただいた枇榔島調査研究会の皆様に心から感謝申し上げる。 枇榔島調査研究会 代表 中村 豊 目次 はじめに 枇榔島の概要 1 枇榔島の地形・地質 伊東嘉宏 1 位置と環境 2 枇榔島の地形 3 枇榔島と周辺の地質 4 枇榔島の生い立ち 参考・引用文献 1.日豊海岸国定公園の岩礁海岸は一様ではない 2.門川層群の芦屋動物化石群 3.海岸生地衣類 4.海食とは? 海水が、岩をけずる? 5.ところで、礫浜や砂浜は、どうしてできるの? 6.節理とは? 7.柱状節理に似た構造の「簡単な作り方」 8.ゾウの鼻? 君は何に見える? 2 枇榔島周辺の植物 斉藤政美 1 枇榔島の植生の概要 2 枇榔島で確認した植物 3 枇榔島で特筆すべき種 4 枇榔島の植物確認種リスト 5 小枇榔の植物 6 小枇榔の植物確認種リスト 3 枇榔島周辺の哺乳類 西田 伸・古中隆裕・中村 豊 1 哺乳類の概要 2 哺乳類の調査 3 哺乳類の各論 参考文献 4 枇榔島周辺の鳥類 中村 豊 1 概要 2 調査 3 各論 4 枇榔島で確認された鳥類目録 5 枇榔島における長年の調査で得られたもの 6 参考・引用文献 5 枇榔島周辺の両生・爬虫類 末吉豊文 1 はじめに 2 調査方法 3 調査結果 4 考察 6 枇榔島の昆虫類 岩崎郁雄 1 昆虫類の概要 2 昆虫類の調査 3 昆虫類の各論 4 昆虫類記録種目録 参考文献 熱帯のチョウ、ルリウナミシジミが飛来! 7 枇榔島のクモ類 串間研之 1 クモ類の概要 2 クモ類の調査方法 3 調査結果 4 枇榔島での分布 5 クモ類の各論 6 参考文献 7 門川町枇榔島クモ類目録リスト 8 枇榔島周辺の陸産貝類 西 邦雄 1 目的 2 調査方法 3 調査年月日及び調査者 4 結果 5 枇榔島と小枇榔での生息状況 6 種の解説 7 おわりに おわりに 執筆者紹介(分野順) おわりに 今回の調査では、爬虫類の生息は確認されなかったが、クモ類や陸産貝類では、県内初記録や希少な種が見つかり、さらに島の重要性が認識され、益々枇榔島の文化的価値が高まったと思われることから、ハシブトガラスやハシボソガラスの侵入防止策や対応を門川漁協や門川町など地元が中心となった保護の輪を広げる必要がある。地元主体の保護活動は、地域活性にもつながる可能性を秘めている。 最後に地球環境基金や門川町のカンムリウミスズメ保護事業助成金、社会貢献支援財団表彰の報奨金、動物園水族館協会からの助成金、バードリサーチの調査研究支援プロジェクト助成金、JAC環境動物保護財団からの資金援助、及びいろいろな講演謝礼金を調査資金とし調査研究を続け、ここにまとめられたことを心から感謝申し上げる。また個人的に援助を頂いた日本獣医生命科学大学の土田修一教授、篠原動物病院の篠原秀作院長、南九州大学の渡邊純子教授、宮崎大学生命科学実験センターの篠原昭男准教授、この他現地調査にボランティアとして自己資金で参加してくださった枇榔島調査研究会の皆様に心から感謝申し上げます。 枇榔島調査に参加された枇榔島調査研究会メンバーのお名前を紹介し、感謝の意を表します。 調査協力者(順不同、敬称略) 古中隆裕、長谷川信美、西田 伸、岩切 久、伊東嘉宏、斉藤政美、西 邦雄、岩切康二、岩崎郁雄、藤本綾乃、串間研之、末吉豊文、出口智久、岩本俊孝、渡邊純子、滝井恵美、 溝口文男、田口道士、福島英樹 枇榔島調査研究会 代表 中村 豊 私たちが心をこめて作っています。 鉱脈社は1972年に誕生し、創業50年を超える宮崎に根ざした出版社です。「月刊情報タウンみやざき」などの情報誌のほか、単行本やシリーズ書籍の出版、自費出版のお手伝いを手がけています。雑誌分野ではスタッフ一丸となって足で情報をかせぎ、書籍出版分野では著者様と力を合わせて納得のいく本づくりを心がけています。私たちが愛情込めて作った本を、ぜひ手に取ってみてください。
4400 円 (税込 / 送料別)